“御執心（ごしふしん）” の例文
現に昨夜（ゆふべ）も、龍の口の御上屋敷に呼出されて、いやもう、深夜までの殿樣の相手ぢや、——町人の私でなければ、夜も日も明けないといふ、大層な御執心（ごしふしん）でな
銭形平次捕物控：223 三つの菓子 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)
見合（みあは）せ文藏樣は只一人の御子と云那程までに御執心（ごしふしん）の事なれば彼女を請出（うけいだ）し御嫁（よめ）になされて然べし欠替（かけがへ）のなき御子の事萬一（もし）御不了簡抔（ふれうけんなど）あらば何と成（なさ）れ候や爰（こゝ）の所を
大岡政談 (旧字旧仮名) ／ 作者不詳(著)
「外にお孃樣に御執心（ごしふしん）の方が二三人あつたやうに伺ひましたが」
銭形平次捕物控：163 閉された庭 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)
吐（つい）てゐたりしが一個點頭此方に向ひ能く游（およ）ぐ者は溺（おぼ）るゝとやら平常（へいぜい）よりして女嫌（ぎら）ひで學問にのみお凝（こり）なさるゝ和君（あなた）が計ず見染れば思ひの程も又強（つよ）し然（さ）は然ながら夫程まで御執心（ごしふしん）なる女兒（をなご）なら假令（たとへ）旦那樣御夫婦が何と仰が有らうとも此管伴（このばんたう）が引受て急度（きつと）和君の思ひを
大岡政談 (旧字旧仮名) ／ 作者不詳(著)