御咄おはなし)” の例文
『御隱居御存生の中の御咄おはなしあらまし覺書』として、やはり前のものと同じやうな半紙二つ折りの横とぢの古帳であるが、それには
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すぐころ福羽君に一寸ちょっと御目にかゝり、御咄おはなしきゝ候間、ちと/\三八在宿に候まゝ、御とまりがけにても御出待上候。万々拝顔のうへ申入候。めでたくかしく。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
あたふる譯なれば私し共の方にて云ぬ中が花なり御前とても此見世このみせ支配人しはいにん同樣に御出なされば御前の取計らひ一つにて何れともなることと思はれる私しどもゝ同じ御咄おはなしばかりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
頼み度事あつてきたが頼まれて呉ねへかと云で長八夫は何の用かは知ね共萬端ばんたん御世話になる貴方あなたゆゑ私しで間に合事なら決して否とは云ません御遠慮ごゑんりよなく御咄おはなしなされと云ば長兵衞は喜びさう請合うけあつて呉れば拙者せつしやまことに頼みいゝ實は私しが兄に清兵衞と云者ありしが若き中は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)