御使おんつかい)” の例文
わが邦にてはふるきよしみある人をとて、御使おんつかいえらばるるやうなるためしなく、かかる任に当るには、別に履歴なうてはかなはぬことを、知ろしめさぬなるべし。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いと浅からぬ御恵みめぐみもて、婢女の罪と苦痛を除き、このにおよび、慈悲の御使おんつかいとして、わらべつかわし玉いし事と深く信じて疑わず、いといとかしこみ謝し奉る
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
蝶とんでお文庫よりの御使おんつかい
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
三人はたがい目語もくごして身を起し、刀の𣠽つかに手を掛けて抽斎を囲んだ。そしていった。我らのことを信ぜぬというは無礼である。かつ重要の御使おんつかいを承わってこれを果さずにかえっては面目めんぼくが立たない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)