御使番おつかいばん)” の例文
何でも加藤弘之かとうひろゆき津田真一つだしんいち真道まみち)なども御目附か御使番おつかいばんかになって居たと思う。私にも御使番になれとう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それで、大火となると、町家の騒ぎはいうまでもないが、諸侯だいみょうの手からも八方から御使番おつかいばんというものが、馬上で、例の火事頭巾ずきんを冠り、凜々りりしい打扮いでたちで押し出しました。
御使番おつかいばんは早馬で城へ注進に行くと言って、馬上からその言葉を残した。あとの人数にも早速さっそく出張するようにその言伝ことづてを御使番に頼んで置いて、物頭もまた乗馬で種々さまざまな打ち合わせに急いだ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御使番おつかいばん、御使番!」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はなはだしきにいたっては逃去て来たあとの兵庫奉行になった人さえあって、名義上の奉行だけは此方こっちに出来て居る。れから又御目附おめつけになるもあれば、御使番おつかいばんになるものもある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)