往事むかしごと)” の例文
「いやうも御記憶のいゝ事で。」と卜新氏は長い間生薬きぐすりと女の唇とをめて来たらしい口をけて笑つた。「あれは往事むかしごと拙者せつしやももう当年八十四歳になりますでな。」
言ふまでもなくわう信民や、朱雲や、李紳の往事むかしごとから拾つて来て戒めたのだ。