影武者かげむしゃ)” の例文
が、敵に、そんな影武者かげむしゃがあろうとは夢にも知らない六人だ。神尾喬之助とばかり思いこんでいる。六対一、衆よくを制す。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ふたりはむろん昌仙がとっさの妙策みょうさくでつくった影武者かげむしゃだが、どれが本物の呂宋兵衛か、どれが影武者か、夜目よめではまッたくけんとうがつかない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、近所のものに怪しまれてはならぬと思って、わしの留守中は、いつもあの男に影武者かげむしゃをつとめさせていたのじゃ。それがあのようなことになって……
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いつも影武者かげむしゃが二人お供していて、どれが王様か見分けがつかない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
みな、茨右近の神出鬼没しんしゅつきぼつぶりに感心するだけで、喬之助という影武者かげむしゃのいることには気が付かずに過ぎたのだった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
影武者かげむしゃのひとりか、ただしは本人の呂宋兵衛るそんべえか、井戸がわに立ってあざ笑いながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)