広葉ひろば)” の例文
旧字:廣葉
雑踏した長い馬場ばゞを通り越すと、夜目にもそれと知らるゝ蓮池があつて、夏の夜風が白い赤い花と広葉ひろばとを吹動ふきうごかした。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
少年の時に地理書で教へられた長い隧道トンネルを越えて伊太利イタリイはひり、マヂオル湖に沿うて汽車のはしまゝに風物は秋に逆戻りして、葡萄ぶだうの葉は赤く、板屋楓プラタアン広葉ひろばを光らし
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その芭蕉の広葉ひろばに稲妻のする秋の夜の景色を言ったのである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
ちょっと見ると、普通の農家とはあまり違っていない。蠶豆そらまめ莢豌豆さやえんどうの畑がまわりを取り巻いていて、夏は茄子なすび胡瓜きゅうりがそこら一面にできる。玉蜀黍とうもろこし広葉ひろばもガサガサと風になびく。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)