幾曲いくまがり)” の例文
障子もふすまはなつ。宿の人は多くもあらぬ上に、家は割合に広い。余が住む部屋は、多くもあらぬ人の、人らしく振舞ふるまきょうを、幾曲いくまがりの廊下に隔てたれば、物の音さえ思索のわずらいにはならぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
〽上野の鐘のも氷る細き流れの幾曲いくまがり、すえは田川に入谷村いりやむら
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)