幾帖いくじょう)” の例文
わが物書くべき草稿の罫紙けいしは日頃いとまある折々われ自らバレン持ちて板木はんぎにてりてゐたりしが、八重今はたすきがけの手先墨にまみるるをもいとはず幾帖いくじょうとなくこれを摺る。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
拡げると、畳二枚分もあるような大きな図面やら、小図面やら、幾帖いくじょうも出来ていた。それも書類も、すべてこの中津軽と南津軽との間を横断している五所川原の治水工事に関するものばかりだった。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)