幾口いくふり)” の例文
ということなので、畏まって、然るべき刀を幾口いくふりか出して見せると、それぞれ無造作に一見して後
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の品は手前てまい上役の者が売るのだが、余程価値ねうちものなれども、此のたび国表へ帰るに就いて、是は手放すのに誠に惜しいが、幾口いくふりも有るから手放すのだと申し、刀屋に見せると
此のたび火急に国表へ帰らんければならんので、丹誠して拵えた刀ゆえ惜しいものだが、然う/\幾口いくふりもは荷になって持って往くことが出来んに依ってよんどころなく払ってしまうのだが
貴方は鼻高々とう云われるか知らんが、手前も元は侍、今は浪人してく零落の身に成っても大小は未だ質入れは致しません、幾口いくふりもございます、先祖伝来の品もござる、御覧に入れましょうか