“いくふり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幾口66.7%
幾振33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ということなので、畏まって、然るべき刀を幾口いくふりか出して見せると、それぞれ無造作に一見して後
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の品は手前てまい上役の者が売るのだが、余程価値ねうちものなれども、此のたび国表へ帰るに就いて、是は手放すのに誠に惜しいが、幾口いくふりも有るから手放すのだと申し、刀屋に見せると
此のたび火急に国表へ帰らんければならんので、丹誠して拵えた刀ゆえ惜しいものだが、然う/\幾口いくふりもは荷になって持って往くことが出来んに依ってよんどころなく払ってしまうのだが
貴方は鼻高々とう云われるか知らんが、手前も元は侍、今は浪人してく零落の身に成っても大小は未だ質入れは致しません、幾口いくふりもございます、先祖伝来の品もござる、御覧に入れましょうか
と生涯寢床の下に愛刀をはさんで、柄頭つかがしらを枕にならべてゐた人だけに、父は武人の心がけを忘れずといつた顏で、幾振いくふりかを出して見せてゐる。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)