トップ
>
幾分
>
いくら
ふりがな文庫
“
幾分
(
いくら
)” の例文
丁度十五位の娘の時のことを三吉も
幾分
(
いくら
)
か知っており、嫂は又、その頃房州の方で一夏一緒に居たことも有って、
大凡
(
おおよそ
)
気心は分っていたが
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お吉は夫の顔を見て、
例
(
いつも
)
の癖が出て来たかと困つた風情は仕ながらも
自己
(
おのれ
)
の胸にものつそりの憎さがあれば、
幾分
(
いくら
)
かは清が言葉を
道理
(
もつとも
)
と聞く傾きもあるなるべし。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
考へて
鬱
(
ふさ
)
いだところで、つまらない世の中に儚い人間と生れて来た以上は、どうも今更為方が無いぢやないか。だから、つまらない世の中を
幾分
(
いくら
)
か面白く暮さうと考へるより外は無いのさ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
人の紹介で逢つて見たことも有るし、
今歳
(
ことし
)
になつて二三度手紙の
往復
(
とりやり
)
もしたので、
幾分
(
いくら
)
か互ひの
心情
(
こゝろもち
)
は通じた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
木曾に居る時も、
幾分
(
いくら
)
か彼はその
心地
(
こころもち
)
を紙に
対
(
むか
)
って書いた。こうして僅かばかりの地所でも、実際自分で鍬を
執
(
と
)
って耕してみるということは、初めてである。不慣な三吉は直に疲れた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「姉さん、そういう時分に家の方のことが
幾分
(
いくら
)
か解りそうなものでしたネ」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と文平に言はれて、不平らしい校長の顔付は
幾分
(
いくら
)
か
和
(
やはら
)
いで来た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“幾分”で始まる語句
幾分位
幾分時