“干上(ひあ)” の例文
ところが、一九二七年にもう一度ヘディンが見に行ったときはもうタリム川は南流をやめて昔の干上(ひあ)がった河床の上を東流し始めていた。
ロプ・ノールその他 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
籠城となれば、飲料水に乏しく、濠水(ほりみず)はややもすれば干上(ひあ)がります。事ある場合は、討って出るしかないお城でございます。——けれど野戦に勝目のない大軍の来襲をうけた場合は
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実はきのうの午(ひる)すぎに、何かの仕事の都合で上(かみ)の方の流れを少し堰(せ)いたので、西寄りの仮橋の裾の方が浅くなって干上(ひあ)がった。そうすると、女の死骸が沈んでいるというので人足どもは大騒ぎ……。
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それともまた昔のロプ・ノールに注いでいた川がその後に流路を変じてその下流に別の湖水を作り元の湖水が干上(ひあ)がってしまったかの問題が起こった。
ロプ・ノールその他 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
粉の輪で思い出すのは、蒸発皿(じょうはつざら)である種の塩類の溶液を煮詰めて蒸発させる時に、溶液の干上(ひあ)がるに従って、液面が周囲の器壁に接する境界線の所に、粉状の塩の土手ができる。
自然界の縞模様 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)