常々つねづね)” の例文
いや私が書生仲間しょせいなかまには随分ずいぶんかようなる事に常々つねづね注意ちゅういし、当時の秘密ひみつさぐり出し、互にかたり合いたることあり、なおれたる事柄ことがらも多かるべし
兄を利吒といひおととを阿利吒といひしが、長老は常々つねづね二人にむかひて、高きものはち、常なきものは尽き、生あれば死あり、会へるものは離るることあらむとさとしける。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その成績によっては、君の常々つねづね欲しいと云っておったロードスターをってやらんものでもない
遊星植民説 (新字新仮名) / 海野十三(著)
長靴がないことは少し残念だが、ルピック氏は常々つねづね、ほんとうの猟師は、そんなものを眼中に置かないといっている。ほんとうの猟師は、ズボンをかかとの上に引きずっている。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
その後叔父は、千代さんに別れのはなむけとして、千代さんが常々つねづね欲しがっていた真珠しんじゅ入りの指環を贈った。そしてそれが、二人の関係を永久に断つことのしるしとなった。
千世子は常々つねづね、頭の友達と、形の友達を持ちたいと思って居た。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)