巨擘きょはく)” の例文
ヴントの如きはその巨擘きょはくである。意識はいかに単純であっても必ず構成的である。内容の対照というのは意識成立の一要件である。
善の研究 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
その初めは土津つちづ羽州うしゅう最上にあらせられし時幕領白岩の農民強訴ごうそに及びたる時、三十六人の巨擘きょはくを捕へて、糾弾もせず一時に磔刑に行はれ、それを
せいばい (新字新仮名) / 服部之総(著)
当時この二論派を代表したるははたして何人なんぴとなりしか。吾輩は今日より回想するに福沢諭吉氏は一方の巨擘きょはくにして国富論派を代表したるや疑うべからず。
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
浪人の巨擘きょはくとして、草莽そうもうの間に埋もれ給う……殿こそ惜しゅう存ぜられまする
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
パピニアーヌスは実にローマ法律家の巨擘きょはくであった。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)