川堤かわどて)” の例文
蒲公英たんぽぽの咲く川堤かわどてに並んで腰を打ちかけ、お宮の背後うしろから揚る雲雀ひばりの声を聞きながら、銀之丞が腰のふくべと盃を取出せば、千六は恥かしながら背負うて来た風呂敷包みの割籠わりごを開いて
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とうとうほおかぶりをして跣足はだしで——夜じゃったが——伏見ふしみから大阪まで川堤かわどてを走ったこともあったンじゃ。はははは。暑いじゃないか、浪、くたびれるといかん、もう少し乗ったらどうじゃ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)