岩牀いわどこ)” の例文
岩牀いわどこの上に、再白々と横って見えるのは、身じろきもせぬからだである。唯その真裸な骨の上に、鋭い感覚ばかりがきているのであった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
かいなが動き出した。片手は、まっくらなくうをさした。そうして、今一方は、そのまま、岩牀いわどこの上を掻きさぐって居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ぽっちりと目をあいて見廻す瞳に、まずあっしかかる黒いいわおの天井を意識した。次いで、氷になった岩牀いわどこ。両脇に垂れさがる荒石の壁。したしたと、岩伝うしずくの音。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)