屏風岩びょうぶいわ)” の例文
「そのはずさ。今日は榛名はるなから相馬そうまたけに上って、それからふただけに上って、屏風岩びょうぶいわの下まで来ると迎えの者に会ったんだ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
穴のなかに敷いてある偃松はいまつの枯葉の上に横になって岩のひさしの間から前穂高まえほたかの頂や屏風岩びょうぶいわのグラートとカールの大きな雪面とを眺めることが出来る。
「何の、雲の低い晩なら知らず、この冴えた夜に、あのように空を染めているのはおかしい。……オ、ここは眼をさえぎる樹が多いが、あの屏風岩びょうぶいわのてッぺんに登ればよく見えよう」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼の前には大きな屏風岩びょうぶいわが、通せん坊をしているような心持だったのでしょう。
ああいけない、行ってはいけない、屏風岩びょうぶいわには爆薬がしかけてあるんです。
梟谷物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「よし、ではやはり屏風岩びょうぶいわがやくにたつ」
梟谷物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)