尽未来じんみらい)” の例文
旧字:盡未來
「むかしは昔、今は今じゃ。兼輔の恋人はもうお身ひとりと決めた。鴨川の水がさかさに流るる法もあれ、お身とわれらとは尽未来じんみらいじゃ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
冥加みょうがとも、かたじけないとも——この雪之丞とても、尽未来じんみらい、あなたさまのほかに、世上の女性にこころをうごかすようなことはいたしませぬ——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
自己の申しわけのような小乗心しょうじょうしんにとどまらず、心から民に詫びて、尽未来じんみらい、世をよくおさめんと懺悔ざんげしての誓願せいがんであるならば、なんぼうわしもよろこんで、片棒をかつぐ気になるかもしれんが
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとい今生こんじょうでは、いかなる栄華えいがを極めようとも、天上皇帝の御教みおしえもとるものは、一旦命終めいしゅうの時に及んで、たちまち阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄にち、不断の業火ごうかに皮肉を焼かれて、尽未来じんみらいまで吠え居ろうぞ。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一度誓いしことばの末は、尽未来じんみらいまで変るまいぞ。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)