小鳩こばと)” の例文
若い二人は、ちやうど二つの小鳩こばとのやうに仲よくくらしました。みんなは、二人を見て、世の中にこれほど仕合しあはせな人はないだらうと思ひました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「山の小鳩こばとも、もう親鳩おやばとの羽根の下へ頭をかくして コロ コロ コロ お休みって眠りましたよ」
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
しかし、この大胆不敵に見える娘も、東京の波風の中では小鳩こばとのようにおとなしかった。おとなしくならずにいられなかったのだ。まず、彼女の計画は東京への第一歩からぺしゃんこになった。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
おお、抱いてやるとも、私の小鳩こばと
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
つて、あかくなつたわたしあつくちびるでひつたりとひました。布団ふとん眼深まぶかかにかぶつた小鳩こばとのやうに臆病をくびやう少年せうねんはおど/\しながらも、おんなのするがまヽにまかせてゐた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)