小躍こをど)” の例文
年のいちに線香を買ひに出るのは物寂びたとは云ふものの、懐しい気もちにも違ひない。その上「出でばやな」とはずみかけた調子は、宛然芭蕉その人の心の小躍こをどりを見るやうである。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼の心は痛ましくも泣き笑ひをしながら小躍こをどりして駈けまはつてゐた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
すずしき風にかはし、また小躍こをどりぬ。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
典薬は占めたと腹のなかで小躍こをどりした。