小杜こもり)” の例文
山の根がたのかしこここに背の低い松が小杜こもりを作っているばかりで、見たところはたもなく家らしいものも見えない。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
小杜こもりの蔭に潜んでのぞきいると、暫時して妍華超絶ただに別嬪どころでなく、真に神品たる処女、多人数諸方より来り集い、全く露形して皎月こうげつ下に身を洗う。
足元からすこしだらだら下がりになりかやが一面に生え、尾花の末が日に光っている、萱原の先きが畑で、畑の先に背の低い林が一むら繁り、その林の上に遠い杉の小杜こもりが見え
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)