小憩こやす)” の例文
知らず知らず日々にちにち新聞社の近くまで歩いて来たので、二人はやや疲れたままその辺の小さなカッフェーに小憩こやすみして、進はウイスキー村岡はビール一杯を傾け、足の向くまま銀座通へ出た。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
船問屋の灘屋なだや七郎右衛門の家で小憩こやすみして、またすぐ陸路を姫路へ急いだ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
商会主は淫蕩いんとうと淫蕩との間の小憩こやすみ、あぶらっこい刺身のつまとして、純真無垢むくの艶子を見た。金や地位になびくことを知らない少女は一面にはばからしく思えたが、一面には貴い宝石のように見えもした。
五階の窓:04 合作の四 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)