小君こぎみ)” の例文
こんな挨拶あいさつをしていた。小君こぎみの所へは昼のうちからこんな手はずにすると源氏は言ってやってあって、約束ができていたのである。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
細々こまごましい手紙の内容は省略する。贈り物の使いは帰ってしまったが、そのあとで空蝉は小君こぎみを使いにして小袿こうちぎの返歌だけをした。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
今も伊予介いよのすけの家の小君こぎみは時々源氏の所へ行ったが、以前のように源氏から手紙を託されて来るようなことがなかった。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
昨夜大将のお使いで小君こぎみがおいでになりましたか。お家のことなどくわしいお話を伺って茫然ぼうぜんとなり、恐縮しておりますと姫君に申し上げてください。
源氏物語:56 夢の浮橋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
隣の室に寝ていた小君こぎみを起こすと、源氏のことを気がかりに思いながら寝ていたので、すぐに目をさました。小君が妻戸を静かにあけると、年の寄った女の声で
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏の車はみすがおろされていた。今は右衛門佐うえもんのすけになっている昔の小君こぎみを近くへ呼んで
源氏物語:16 関屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
などと言うのを小君こぎみは聞いて涙さえもこぼしていた。非常にかわいく源氏は思った。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
翌日源氏の所から小君こぎみが召された。出かける時に小君は姉に返事をくれと言った。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
もう一度だけうことはできぬかと、小君こぎみを味方にして空蝉に接近する策を講じたが、そんな機会を作るということは相手の女も同じ目的を持っている場合だっても困難なのであるのに
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
小君こぎみに言った。期待もなしに長くとどまっていることもよろしくないと思って少年は去ろうとした。恋しい姿の姉に再会する喜びを心にいだいて来たのであったから、落胆して大将邸へまいった。
源氏物語:56 夢の浮橋 (新字新仮名) / 紫式部(著)