専領せんりょう)” の例文
旧字:專領
父は常に我々とはかけへだたった奥の二間ふたま専領せんりょうしていた。簀垂すだれのかかったその縁側に、朝貌はいつでも並べられた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかもこの小さな裂け目から無理に割り込んで、一寸二寸とじりじりにセメントで築上げた窖道を専領せんりょうするに至っては、全く人間以上の辛抱比しんぼうくらべに違ない。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時表を専領せんりょうしているK氏は目下蘇格蘭スコットランド巡遊中でしばらくは帰らないのだと主婦の説明があった。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)