寿平次じゅへいじ)” の例文
隣宿妻籠つまごの本陣、青山寿平次じゅへいじの妹、おたみという娘が半蔵の未来の妻に選ばれた。このせがれの結婚には、吉左衛門も多くの望みをかけていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
妻籠本陣の寿平次じゅへいじをはじめ、その妻のお里、めっきり年とったおばあさん、半蔵のところから養子にもらわれて来ている幼い正己まさみ——皆、無事。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
だから、参覲交代のような儀式ばった御通行はそういつまで保存のできるものでもないというあれの意見なんだろう。妻籠つまご寿平次じゅへいじもその説らしい。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼も隣宿妻籠つまご本陣の寿平次じゅへいじと一緒に、江戸から横須賀よこすかへかけての旅を終わって帰って来てから、もう足掛け三年になる。過ぐる年の大火のあとをうけて馬籠の宿しゅくもちょうど復興の最中であった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)