寺内てらうち)” の例文
私は目的を達して、いさぎよく官を辞したが、李太王は寺内てらうち総督に人を派じ、「あと二年だけ蜷川を留任せしめたい。」と申し入れられた。
私の歩んだ道 (新字新仮名) / 蜷川新(著)
明治四十四年に寺内てらうち陸軍大臣が引退せられる時、部内の高等官一同の贈物に、牛に乗った童子の銀製を選んだのは兄でした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
そこを通る人達は、寺内てらうち将軍の銅像には気がつかない人でさえ、きっとこの花を見つけて、そう言合いました。
私にこの物語をして聞かせた寺内てらうちとかいう人は、きくところによると、昨年の十一月末、ちょうど私がこれを聞いて帰ったその日の夜七時頃、もう病気をつのらせて
地図にない街 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
かつ寺内内閣てらうちないかく議會ぎくわいで、藏原代議士くらはらだいぎし總理大臣そうりだいじんから「ゾーバラくん」とばれて承知しやうちせず、「これ寺内てらうちをジナイとぶがごとし」と抗辯かうべんして一ぜう紛議ふんぎかもしたことがあつた。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
加藤かとう内閣ができるはずに聞いていたのが、急に寺内てらうち内閣が成立しそうなという話なので、平生当面の時事には無関心のこの物語の筆者も、ちょっとだまされたような気持ちがする。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
それまでの陸軍大臣は寺内てらうち伯で、お兄様はその信任を得ていられましたが、政変のためにおめになって、石本次官が昇進なさいましたのは、明治四十四年八月末のことでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)