寸刻すんこく)” の例文
霊界は現界と同じく、玉石混淆ぎょくせきこんこうの差別の世界で、寸刻すんこくの油断もできない。これを知らずに幽明交通をするから、そこに多大の弊害が起るのである。
寸刻すんこくはや轉地てんちを、とふのだつたさうである。わたしは、いまもつて、けつしてけんちんをはない。江戸時代えどじだい草紙さうしなかに、まつもどきと料理れうりがある。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寸刻すんこく猶予ゆうよもできなかった。ただちに清麻呂に因果をふくめ、神教偽作のカラクリ全部を一身に負う手筈をきめる。直ちに百川は上奏して、清麻呂はすでに神教偽作の罪状を告白したと告げた。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「藤兵衞の家では、どんな事があつたか知らぬが、御上屋敷へ持參したのは藤兵衞と弟子の良助の二人で、我等兩人と逢ふ迄、繪圖面は二人の側に引付けて、寸刻すんこくも眼を離さなかつたと言ふことだ」
それは、寸刻すんこくを爭ふ危ない場面だつたのです。