寡婦暮やもめぐら)” の例文
四年已前あと死去なくなりまして、子供もなし、寡婦暮やもめぐらしで、只今はお屋敷やお寺方の仕事をいたして居りますので、お召縮緬めしちりめん半纒はんてんなどを着まして、芝居などへまいりますと
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また優しい心を持っていたので、寡婦暮やもめぐらしや他人の不幸に彼は心をひかれた。喪装の友だちや、黒布をまとった家族や、ひつぎのまわりに悲しんでる牧師らに、彼はよく立ち交じった。
氣の毒に思ひ何時いつまで狂氣きちがひでも有まじ其内には正氣しやうきに成べしとておの明家あきやすまはせ此處にあること半年程はんねんほどにて漸やく正氣しやうきに成しかば以前の如く産婦さんぷ世話せわわざとして寡婦暮やもめぐらしに世を渡りける。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)