寝鳥ねとり)” の例文
旧字:寢鳥
彼の足音に驚かされたのか、路ばたの梢から寝鳥ねとりが二、三羽ばたばたと飛び立った。人間の声はどこからも響いてこなかった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
此様な記憶があるので、デカは蛇を恐るゝのであろう。多くの猫は蛇を捕る。彼が家のトラはよく寝鳥ねとりってはむしゃ/\喰うが、蛇をまだ一度もとらぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いちいちもっとも、お前の言葉に少しの無理もない。が、『禁制の賦』は三代前の一色家の主人あるじ、一色宗六そうろくという方が、『寝鳥ねとり』から編んだ世にも怪奇な曲で、あれを作って間もなく狂死したといわれる。
遠近おちこちにて寝鳥ねとりのおどろき起つ声。下田五郎は橋を渡りて出づ。)
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)