寝転ねころが)” の例文
旧字:寢轉
土壊つちくいで土地が沈み、太い門柱が門扉とびらをつけたままごろんと寝転ねころがっている。小瓦の上には、こけ蒼々あおあお。夏は飛蝗ばった蜻蛉とんぼ棲家すみかになろう、その苔の上に落葉が落ち積んで、どす黒く腐っている。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)