寝泊ねとまり)” の例文
旧字:寢泊
津山邸にやかたはあっても、本丸に寝泊ねとまりして、小字おさななの銀之助を呼ばれていたものと見える。年は五百より二つ上である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
平生へいぜい宿直室に寝泊ねとまりして居る校長の進藤は、モウ師範出のうちでも古手の方で、今年は盛岡に開かれた体操と地理歴史教授法の夏期講習会に出席しなければならなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
興味の中心になっている神秘境に寝泊ねとまりして来たのだから、自然ゴシップ好きな人間が集まって、悲しみに強打されたキスへの同情に以前からの好奇心も加わり、色んなことを訊き出そうとする。
生きている戦死者 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)