“寂地”の読み方と例文
読み方割合
じゃくち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひろい御成道おなりみちは、白と黒の寂地じゃくちだった。白は月、黒は巨木の影、その中を急いでゆくと、顔にも肩にも、はかまにも、ちらちらと、海月くらげのような光線がたかって、後ろへ飛んで行く。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつての承久ノ乱や、寿永じゅえい治承じしょうの大戦のさいでも、都の北山、嵯峨野さがののおくには、平家のきずなや権門をのがれ出た無髪の女性たちには、修羅の外なる寸土の寂地じゃくちがゆるされていたともいう。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)