客観かくゝわん)” の例文
浅墓な客観かくゝわん芸術に対して真摯な主観芸術の発表であると言つても差支なかつた。当時褒貶相半ばしたが、兎に角新しい試みであるといふことには誰も一致した。
紅葉山人訪問記 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
が、あのこひ秘密ひみつ私語さゝやいてゐるかとおもふと、腹立はらだゝしくもあつたが、あはれにもおもつた。あはれは崇高すうかうかんじを意味いみするので、つまむかし客観かくゝわんときであるのは、ふまでもない。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)