宗規しゅうき)” の例文
「まだ人なみのこつがらも持たぬ乳臭児にゅうしゅうじの分際で、宗規しゅうきみだし、烏滸おこがましい授戒など受けると、この叡山の中にただはおかぬぞと」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この時に至ればもはや平生の厳しい法律も宗規しゅうきもみな自由に解かれてしもうて、さながら魚が網から飛出して再び大海に泳ぎ出したかのごとくに、銘々めいめい勝手かってに自分の思う儘をやるという有様です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
天台の宗規しゅうきを破ったとか、横暴だとか、世間からも中務省なかつかさしょうの役人からも、非難されているのですから、とても、叡山えいざんなどへ、範宴はんえんさまを、お連れくださるわけはありません
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)