“安坐(あんざ)” の例文
広い室内の隅(すみ)の方へ、背後(うしろ)に三角の空(くう)を残して、ドカリと、傍床(わきどこ)の前に安坐(あんざ)を組んだのは、箏(こと)の、京極(きょうごく)流を創造した鈴木鼓村(こそん)だった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
絶えて久しきわが家の風呂(ふろ)に入りて、うずたかき蒲団(ふとん)に安坐(あんざ)して、好める饌(ぜん)に向かいて、さて釣り床ならぬ黒ビロードの括(くく)り枕(まくら)に疲れし頭(かしら)を横たえて、しかも夢は結ばれず
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
柱にもたれ安坐(あんざ)して暫(しばら)く眺(なが)めたるこそ愚(おろか)なれ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)