好漢おとこ)” の例文
「人妻にせよ娘にせよ、女隠しなどは罪深い。義で生きる好漢おとこのすることではありませんな。どうもあなたの義兄弟らしくもない」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すっきり端然しゃんと構えたる風姿ようだいといい面貌きりょうといい水際立ったる男振り、万人が万人とも好かずには居られまじき天晴あっぱれ小気味のよき好漢おとこなり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と、ここに好漢おとこ同士の刎頸ふんけいの交わりがまた新たに結ばれ、銘酒“玉壺春ぎょっこしゅん”の泥封でいふうをさらに二たかめも開いて談笑飽くなき景色だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君、酒は愛して飲むべしだよ。くれぐれも酒に呑まれて、可惜あたら好漢おとこを滅茶苦茶にしてくれるなよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)