女夫雛めおとびな)” の例文
女夫雛めおとびなを片雛ずつ分けて持って、女の節句に祭りかわし、五月五日の男の節句に、雛と人と二組みの女夫をめでたくこしらえ納めようというのでござりまするな。
ひな——女夫雛めおとびなは言うもさらなり。桜雛さくらびな柳雛やなぎびな花菜はななの雛、桃の花雛はなびな、白とと、ゆかりの色の菫雛すみれびなひなには、つくし、鼓草たんぽぽの雛。相合傘あいあいがさ春雨雛はるさめびな小波ささなみ軽くそで浅妻船あさづまぶね調しらべの雛。五人囃子ごにんばやし官女かんじょたち。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「吾妻屋永左衛門は、三十そこ/\、金があってへえけえが上手で、ちょいと好い男で、道楽者の癖に少しケチで、——薄墨大夫のお染さんと並べると、少しヒネてはいるが見事な女夫雛めおとびなですよ——」
女夫雛めおとびなを一対のご注文じゃねえんでござんす。
豪儀に似合いの女夫雛めおとびなと思うんですがね。