太々餅だいだいもち)” の例文
芝神明の太々餅だいだいもちのラヂウム温泉が設けられて、はる/″\下町から私は亡祖父と大叔母とに連れられて半日の湯治に来たことがある。大正改元のころであつたらう。
山の手歳事記 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
よく、芝口のおはぎ、神明の太々餅だいだいもち土橋どばしの大黒ずしなどがお土産にされたものでありました。
浅草の金竜山にしてもあんと、きなこと、ごまのついた餅、芝の太々餅だいだいもちもおなじくであり、大橋ぎわのおだんご、谷中芋坂いもざかのおだんご、そのほか数えたらいくらでもあるが——
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ついでにお茶請の御註文が、——栄太楼の金鍔きんつばか、羊羹ようかん真平まっぴらだ。芝の太々餅だいだいもちかんばしくって歯につかず、ちょいといいけれど、みちが遠いから気の毒だ。岡野のもなかにて御不承なさるか。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
帰途かえりは、めっかち生芽しょうがとちぎばこがおみやげ、太々餅だいだいもちも包まれている。