いたずら者の大鴉もきょうは少し様子が違うと思ったのか、紅い柿の実を遠く眺めているばかりで迂闊に近寄って来なかった。
と一羽の大鴉が鳴くと、あちからも、こちからも、ぽち、ぽち、とした積藁のかげから、くろぐろとした翼を豊に張った無数の鴉が、次から次へと飛び立ち始めた。
自分は大鴉だと言い言いしますが、あの人の手紙にも、自分は「かもめ」だと、のべつに書いてある。
“大鴉”の解説
『大鴉』(おおがらす、The Raven)は、アメリカ合衆国の作家エドガー・アラン・ポーが1845年1月29日に発表した物語詩。その音楽性、様式化された言葉、超自然的な雰囲気で名高い。心乱れる主人公(語り手)の元に、人間の言葉を喋る大鴉が謎めいた訪問をし、主人公はひたひたと狂気に陥っていくという筋である。学生であろうと指摘されることの多い主人公は、恋人レノーアを失って嘆き悲しんでいる。大鴉はパラス(アテーナー)の胸像の上に止まり、「Nevermore(二度とない)」という言葉を繰り返し、主人公の悲嘆をさらに募らせる。詩の中の至るところに、ポーは伝承や様々な古典の隠喩を行っている。
(出典:Wikipedia)
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