大安寺だいあんじ)” の例文
私はそれから少し経つてからある日曜に寺町の大安寺だいあんじへお祖母ばあさんのお墓参りをしました時に楠さんを訪ねて行きました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
聖林寺観音の左右には大安寺だいあんじの不空羂索観音や楊柳観音ようりゅうかんのんが立っている。それと背中合わせにわが百済観音が、縹渺ひょうびょうたる雰囲気を漂わしてたたずむ。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
当時の沢庵は、未来の鋒鋩ほうぼうを蔵しつつ、まだ泉州堺大安寺だいあんじの文西西堂について、学徳の切磋せっさ孜々ししたる頃であった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私など少し大きくなりましてからは、折々お茶の会に行つたりしました。その隣は大安寺だいあんじで私の祖母の墓があつたのでしたが、今では父も母も其処そこへ葬られてしまひました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
確かにこの像は正倉院の樹下美人図じゅかびじんずや薬師寺の吉祥天女画像きちじょうてんにょがぞうなどの方に近い。右腕の異様に長いのがいかにも密教臭いが、しかし大安寺だいあんじの女らしい十一面観音なども同じ程度に長い。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)