大姉だいし)” の例文
後ろへ廻って見ると小さな杉が十本くらいある下に石の観音がころがっている。何々大姉だいしと刻してある。
根岸庵を訪う記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
八年七月二十九日には祖父伊兵衛の妻が歿した。法諡ほうしを臨照院相誉迎月大姉だいしと云う。子之助が四歳の時である。十一年には父の友楚満人そまびとが狂訓亭春水と号した。子之助が七歳の時である。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わか世捨人よすてびとな、これ、坊さまも沢山たんとあるではないかいの、まだ/\、死んだ者に信女しんにょや、大姉だいし居士こじなぞいうて、名をつけるならいでござらうが、何で又、其の旅商人たびあきうど婦人おんな懸想けそうしたことを
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「宝珠院妙心大姉だいし
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)