外界げかい)” の例文
そして事実になるまで、おれの胸には一度もうたがひきざさなかつた。今度はどうもあの時とは違ふ。それにあの時は己の意図がほしいまゝに動いて、外界げかいの事柄がそれに附随して来た。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この景色はかように暢達のびのびして、かように明白で、今までの自分の情緒じょうしょとは、まるで似つかない、景気のいいものであったが、自身の魂がおやと思って、本気にこの外界げかいむかい出したが最後
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)