“塵事(じんじ)” の例文
平生(へいぜい)はいかに心持の好くない時でも、いやしくも塵事(じんじ)に堪(た)え得るだけの健康をもっていると自信する以上、またもっていると人から認められる以上
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おれの苦しさ、わからんかね。仙脱。無慾。世が世なら、なあ。沈黙は金。塵事(じんじ)うるさく。隅の親石(おやいし)。機未だ熟さず。出る杭(くい)うたれる。寝ていて転ぶうれいなし。無縫天衣。桃李(とうり)言わざれども。絶望。
懶惰の歌留多 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「もっとも崇高なる天地間の活力現象に対して、雄大の気象(きしょう)を養って、齷齪(あくそく)たる塵事(じんじ)を超越するんだ」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)