堆高うづだか)” の例文
丁度其日は年貢ねんぐを納めると見え、入口の庭にむしろを敷きつめ、堆高うづだかく盛上げたもみは土間一ぱいに成つて居た。丑松は敬之進を助け乍ら、一緒に敷居を跨いで入つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丁度収穫とりいれの頃で、堆高うづだかく積上げた穀物の傍にたふれて居ると、農夫の打つつちは誤つての求道者を絶息させた。夜露が口に入る、目が覚める、蘇生いきかへると同時に、白隠は悟つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
往来の真中に堆高うづだかく掻集めた白い小山の連接つゞきを見ると、今に家々の軒丈よりも高く降り積つて、これが飯山名物の『雪山』とうたはれるかと、冬期の生活なりはひ苦痛くるしみを今更のやうに堪へがたく思出させる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
まるで私は小鳥かなんどのやうに、唯譯もなくその間を歩き𢌞りました。時には路地の奧の方までも入つて行つて、活版屋の裏に堆高うづだかく積重ねてある屑の中から細い活字を拾ふのを樂しみにしました。