堀川保吉ほりかわやすきち)” の例文
彼のお時儀に? 彼は——堀川保吉ほりかわやすきちはもう一度あのお嬢さんに恬然てんぜんとお時儀をする気であろうか? いや、お時儀をする気はない。
お時儀 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ある曇った初夏しょかの朝、堀川保吉ほりかわやすきち悄然しょうぜんとプラットフォオムの石段を登って行った。と云っても格別大したことではない。
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
昨年のクリスマスの午後、堀川保吉ほりかわやすきち須田町すだちょうかどから新橋行しんばしゆきの乗合自働車に乗った。彼の席だけはあったものの、自働車の中は不相変あいかわらず身動きさえ出来ぬ満員である。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
堀川保吉ほりかわやすきち 主筆の肥っているだけにせた上にも痩せて見える三十前後の、——ちょっと一口には形容出来ない。が、とにかく紳士と呼ぶのに躊躇ちゅうちょすることだけは事実である。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここにその任命を公表すれば、桶屋おけやの子の平松ひらまつは陸軍少将、巡査の子の田宮たみやは陸軍大尉、小間物こまもの屋の子の小栗おぐりはただの工兵こうへい堀川保吉ほりかわやすきち地雷火じらいかである。地雷火は悪い役ではない。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)