あな)” の例文
この魔性の廣野ひろの正中たゞなかにはいと大いなるいと深き一のあなありて口をひらけり、その構造なりたちをばわれその處にいたりていはむ 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
昏倒こんとうした蘇武に対する胡毉こいの手当てというのがすこぶる変わっていた。地を掘ってあなをつくり熅火うんかを入れて、その上に傷者を寝かせその背中をんで血を出させたと漢書かんじょにはしるされている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
されどマーレボルジェはみないと低きあなの口にむかひて傾くがゆゑに、いづれの溪もそのさまこの理にもとづきて 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
忽ちけはしく忽ちたひらかなる一條の曲路我等を導いてかのあなほとりふちなかばより多く失せし處にいたらしむ 七〇—七二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
罰はたゞ望みを絶たれしのみなる第一のひとやより悲しみのあなかく深くくだるものあることありや 一六—一八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
再び死にし者に似たる魂等はわが生くるを知り、我を見て驚愕おどろきを目のあなより吐けり 四—六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)