国手せんせい)” の例文
旧字:國手
現に国手せんせい、お前んの大学病院の何とか教室へ俺が推掛おしかけて、偉い人たちに吃驚びっくりしてげて返った、あの朝ですだ。忘れんですがい。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ファウスト国手せんせいはいい人で
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
わしは、よろよろとなったで。あの晩、国手せんせいが、私のために、よろよろとなられたごとくじゃ。何と、俗に云う餅屋は餅屋じゃ、職務はたっとい。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ファウスト国手せんせい
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
で、国手せんせいおおいに謝そうと思う処へ、五六人、学生とは覚えない、年配の、堂々たる同僚らしいのが一斉に入ってござったで、おりを考えて、それなりに帰ったです。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いいえ、立派な国手せんせい綱曳つなびきでいらっしゃったんですの。でもね、ちっとも分りませんとさ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
国手せんせいの前じゃ申しかねるが、僕はまた、三宜亭まで是非とお夏さんに呼出されて、実は相済まんが、友達に頼んでちょいと抜け出して来ると、いつも世話になると礼をいって
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これさえ引いておけば、田圃たんぼは近くっても虫の飛込む悩みもないので、窓も一つ開けたまま、小松原は、昼間はその上へ患者を仰臥あおむかせて、内の国手せんせいが聴診器を当てようという、寝台ねだいの上。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
病人を包んだ空気が何となくぱっとひらくという国手せんせいだから、もう大丈夫。——
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
国手せんせいに、国手に、)とお夏は、その時くりかえしていったのである。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)