四肢よつあし)” の例文
ぎにやま面白おもしろいけものにむさゝびといふものがゐます。四肢よつあしをひろげてからびわたりますが、とりのようにうへへはべません。えだからえださがるだけです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
全く同じ四肢よつあし動物ではありながら、ムク犬と、この子熊とは育ちが違う、育ちだけではない、うじが違うと言って、先天的に平民平等観の軌道を歩ませられている米友さえが
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今一つは四肢よつあしで起っている所であった。この四つの製作はいずれも鋳物の原型になるのであるから、材料を特に木彫りとして勘考することもいらぬので、私は檜で彫ることにしました。
ふと異しい物音がした、キキと何かを引つ掻くやうな、……と思ふとまた性急に、然し怖々おづおづと、否寧ろ時折は粗雑がさつ四肢よつあしで引つ掻きちらす悪戯いたづらな爪の響——それが絶間もなくキキとキキと続いてくる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)