四歳よッつ)” の例文
まだその上に、無慙むざんなのは、四歳よッつになる男のがあったんですが、口癖に——おなかがすいた——おなかがすいた——と唱歌のようにうたうんです。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしには兄弟も親類もございませんゆえ、たれあって育てる者もないところから、店受たなうけ安兵衞やすべえさんに引取られ、四歳よッつの時から養育を受けまして、只今では叔父分となり
膝にすがって六歳むッつばかりの男の子が、指をくわえながら往来をきょろきょろとながめる背後うしろに、母親のそのせなもたれかかって、四歳よッつぐらいなのがもう一人。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
孝「母親おふくろわたくし四歳よッつの時に私を置去りに致しまして、越後の国へ往ってしまいましたそうです」
孝「へい、親父の亡くなりましたはわたくし四歳よッつの時でございます」